3Dプリンター用のエンクロージャーを作る

今日の話題はこれまでとは打って変わって3Dプリターに関する話題です。

3Dプリンターについては見聞きすることはあったのですが、今回実験機材のプロトタイプを作る過程でどうしてもプラパーツを作る必要があり、これを発注するととてつもなく高くつきそうなので思い切って3Dプリンターで自作することにしました。(Anycubic Kobra2です。レベリングが自動なので初心者でも使いやすいです)

Fusion360の使い方も覚えてそれなりにシンプルな造形ならできるようになったので、手始めにPLA素材で印刷していました。

その後耐熱素材が使いたかったのでABSに素材を切り替えたところ、匂いが強烈で途中で印刷を切り上げることになってしまいました。このままでは室内でのABS印刷ができないことやABSでは印刷時の室温が高い方がうまくいくといった情報に加えて、PLAでも少々匂うところはあったので排煙設備を備えた囲い(エンクロージャー)を作ることにしました。

できあがったケースは以下の写真の通りです。作業場の片隅に置いています。

ポイントは

1)フレームは、アルミフレームの2020シリーズ(60センチ)を利用。極力部材カットはしたくなかったので、60センチを組んで作っています。このあたりはご自身のプリンターの可動範囲に合わせて選択してください。

2)アルミフレームの内側にはスタイロフォームを張り付け。天井は熱が逃げやすいのでフレームの間にも断熱材を入れて2層化。サイドもフレームの間に断熱材入れられますが持ち上げにくくなるので入れていません。フレームとスタイロフォームの貼付にはいわゆるマジックテープを使っています。

3)前面にはアクリル板をフレームの隙間にかませるようにはめ込み設置。なお、2020のフレームは6ミリの隙間があるので2ミリ厚のアクリル2枚の間にゴムをかませてはめ込もうと考えていましたが(こうするとアクリル板の間に空気の層ができるので保温性能が良くなるはず)、予算の関係(2枚組と勘違い)で、2ミリ厚アクリルの両側にゴムを貼り付けてからはめ込んでいます。また、前側のフレーム全体がはめ込み式になっており、容易に取り外しが可能。造形物の取り出しやフィーダーの設置が容易に可能です。簡易温度計も内側から貼り付け。

4)床面にはスタイロフォーム+MDF合板をおいてあるだけ。ケースの底は抜けており、ケースを持ち上げるとプリンター本体に容易にアクセス可能。(床面だけからのアクセスで十分な場合は、フレームの前面は取り外し式にせず固定にしてしまっても良いかと思います)

5)天板に化粧板を取り付けて物置として利用可能に。(フィーダーを上に置きたい人は隙間を作って天板側からフィードしても良いかと思います)

6)側面に排気ファンを取り付けて排煙パイプを窓の外に設置。逆サイドにはフィード用の穴を空けてケースの外においたフィーダーから材料を供給(写真では穴はまだ空ける前です)。排煙パイプのアダプターはプリンターで作成。

かなりしっかりとしたフレームになったので(その分重さもそこそこありますが・・・)天板にも物を置けるので便利。もっともコストも入門用プリンターが買える程度に掛かってしまいましたが、作る楽しみはありました。なにより匂いが気にならなくなったのが成果です。

Happy 3D printng life !